インテリジェントPDUが求められる理由

執筆:営業部
最終更新日:2025/1/22
PDU(電源分配ユニット)には、大きく分けて「ベーシックPDU」と「インテリジェントPDU」の2種類があります。特に近年では、インテリジェントPDUへの注目と需要がますます高まっています。
今回は、この2つのPDUの違いや、なぜインテリジェントPDUが今求められているのかについて、わかりやすく解説していきます!
1. 「ベーシックPDU」と「インテリジェントPDU」の違い
ベーシックPDUとは?
サーバーラック内に収納するIT機器に電力を供給する機能のみを備えた電力分配ユニット(Power Distribution Unit)です。
インテリジェントPDUとは?
サーバーラック内の収納するIT機器に電力を供給する機能に加え、電力計測、ネットワーク接続による遠隔操作、環境モニタリング機能等を備えた電力分配ユニットの総称です。
では、なぜ電力供給以外の機能が必要なのでしょう?インテリジェントPDUが求められるようになった経緯についてお話していきたいと思います。
2. インテリジェントPDUが必要になった理由
ここ最近、5,000台を超えるサーバーを格納し、平均25MW以上の電力容量を有する「ハイパースケールデータセンター」と呼ばれる巨大なデータセンターの建設が増加しています。ハイパースケールデータセンターとは、AWS、グーグル、マイクロソフトなどのメガクラウドサービス事業者が、クラウドサービスを提供するために運用している大型データセンター(DC)のことです。近年では千葉県印西市をはじめ、日本で災害の影響を受けにくい土地を中心に整備が進んでいます。
そうした中、経済産業省は膨大な電力を消費が見込まれる大型データセンターに対し、事業者に使用エネルギーの目標値を定めて省エネルギー化を目指していく制度、「ベンチマーク制度」を設けました。そのベンチマーク指標となるのがPUE値(PUE(Power Usage Effectiveness))です。

上記の計算式で算出され、この値が1.4以下になる事を目標として設定しており、1.0に近いほど効率的な電力稼働を行えていることになります。
参考:『データセンター業のベンチマーク制度の概要(PDF)』経済産業省資源エネルギー庁
簡単に言いますと、経済産業省の指導の下、2030年までにデータセンターでの電力の使用量を削減していくため、使用量を数値化し、事業者は報告していくというものです。
そのため、
- ラック内のIT機器の供給しているPDUの電力量計測
- 稼働していないのに電力だけを消費している「ゴーストサーバー」の発見する事を目的としたPDUのアウトレット毎の電力測定
- 5000台以上あるサーバーの中からゴーストサーバーをピンポイントでOFFさせるためのPDU毎の遠隔操作
- ラック内の温度を遠隔操作でモニタリングし、省エネになるような空調管理
といった、使用電力の把握と省エネ化が必須となるため、インテリジェントPDUが今多くのデータセンターで導入されているんです。
3. まとめ
いかがだったでしょうか?専門用語がたくさん出てきましたが、要点をまとめるとインテリジェントPDUは、『膨大な電力を使用するデータセンターで、環境に負荷をかけない事業を行う為に必要な機能を備えたPDU』ということです。
そうなると、次に気になるのは各インテリジェントPDUが持つ具体的な機能ではないでしょうか。インテリジェントPDUの機能ごとの分類については、以下のコラムで詳しくご紹介していますので、ぜひあわせてご覧ください!
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