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執筆:代表取締役社長
公開日:2025/7/25
“記録的な猛暑”
夏になると毎年のようにこの言葉を耳にしている気がします。夜はエアコンをつけっぱなしで就寝するのが今では当たり前となり、日中はパフォーマンスが落ちると、冷たい物を口にしながらお仕事。皆さんは今年何本のアイスキャンディーを食べますか?
実はこの温暖化問題、ラック業界でも起きているんです。サーバー機器の性能が向上し、サイズがコンパクトになっていくにつれ、ラックへの搭載量も増え、サーバーラック内の発熱量も年々増加しています。ラック内の温度上昇をそのまま放置すれば、機器の熱暴走が起きてしまうため、ラックに合わせた熱対策を求められるケースがここ最近増えています。
私達がアイスキャンディーを食べるように搭載機器を熱暴走から守るためにはラック1台当たりの消費電力に応じた冷却方法が求められます。今回はそんなラックの熱対策のお話です。
使用環境や電力量に合わせた熱対策を紹介していますので、ラックの冷却方法が気になるお客様。必読です!
空調設備があり、室温が一定に保たれている場所の場合、熱対策としては、そのレベルによって以下のような方法があります。(○○kWはラック1台あたりに使用される電力量のレベルの目安です。)
◆LV1:自然放熱 2kW~4kW
◆LV2:ファンによる強制換気・送風 4kW~6kW
◆LV3:コンテインメント(キャッピング) 6kW~8kW
◆LV4:リアドア水冷システム 15kW~55kW
◆LV5:水冷方式 15kW~200kW
◆LV6:液浸冷却 40kW~250kW
以下段階ごとに紹介していきます。
低熱量の場合の一般的なサーバーや小規模なデータセンターでとられている、比較的簡単な対処法です。方法としては、放熱穴付き(ベンチレーション)ドアや天板を採用し、エアフローの最適化することにより十分な冷却が確保できる場合があります。
放熱穴付き(ベンチレーション)ドア
ファンを使用することで、空気の流れをコントロールし、サーバーや機器から発生する熱を効率的に逃がす対処法です。ファンにもそれぞれ性能があるため、配置やサイズ、回転速度(風量)を選択することで、異なるサーバーや環境条件に応じた柔軟な熱対策を達成できます。また排熱の方向をコントロールすることで最適な対処が可能となります。
あまり聞きなれない単語かもしれませんが、“コンテインメント”という言葉は、「封じ込め」という意味を持っています。コンテインメントが用いられる場面としてはデータセンターのような多数のラックが何列にもわたって稼動している環境になります。
その対処法は、ラック架列を物理的な壁によって「封じ込め」、熱い空気と冷たい空気を分離することにより、サーバールーム全体を効率的な排熱と冷却能力を促進する空間を作り出す対策になります。熱の回り込みを防ぎサーバーの吸気部の温度を一定にすることができるほか、ラック内にヒートシャッターやブランクパネルを用いれば、より一層の熱対策効果を実現できます。
リアドア水冷システムとは、サーバーラックの背面(リア)に水冷式の熱交換器(ヒートエクスチェンジャー)を取り付け、サーバーからの排熱を水で冷却する仕組みです。つまり、排出された熱風を、ラックの背面で水を使って冷やすことで、データセンター全体の空調負荷を軽減する空冷と液冷の中間的な冷却方式です。
nVentリアドア
液冷方式は、冷却液を使ってCPUやGPUといったサーバー内部の発熱部品を直接冷やす冷却方式です。従来の空冷(ファンやヒートシンク)とは異なり、冷却効率が非常に高いため、高密度・高性能なデータセンター環境に最適とされています。
液冷方式では、以下のような冷却構成で稼働します。
このように、「冷却設備→水冷対応ラック → CDU → サーバー → CDU → 冷却設備」という流れで冷却液が循環します。
デルタ電子水冷ユニット
液浸冷却とは、サーバー本体をまるごと冷却液(絶縁性の液体)に沈めて、直接冷却する方式です。液冷方式が「サーバーのコールドプレートに冷却液を流す」のに対し、液浸冷却は「サーバー全体を液体に浸す」というダイナミックな手法です。
ラックの仕様環境には、これまで説明してきましたオフィスフロアやサーバールームがある一方、例えば、工場・倉庫・ホテルの屋上やマンションなどの整備室といった、空調設備が日常的には稼働してないところもあります。
そのような場所では、『ラック用クーラー』がよく用いられています。
近年インダストリー4.0(第4次産業革命)の推進により、製造業のIT化が進み、工場内でのエッジコンピューティングの導入も増えています。工場のようなサーバー用の適切な空調管理が行われていない環境で利用される熱対策の対処法としてとられているのが、ラック用クーラーです。ラック用クーラーを取り付けることによって、ラック内のサーバー機器の吸気部を冷却することができ、サーバーの温度上昇を防ぐことができます。
クーラー付防塵ラック DPRAシリーズ
いかがだったでしょうか。熱対策には実に様々な対処法があり、熱量が大きくなるにつれて、冷却システムの複雑さやコストも増加することがおわかりいただけたかと思います。適切な冷却対策を検討する際には、実際の熱負荷を評価し、それに応じた最適な技術と設備を選定することが重要です。
SETTSUでは長年のサーバーラックに関わってきた経験を活かし、お客様の環境に合わせた熱対策ソリューションを提案しております。もしサーバーの熱対策でお困りのようでしたら、SETTSUのホームページまたは営業所窓口までお気軽にお問い合わせ下さい。
「STOP!!ラック温暖化!」
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