摂津金属工業株式会社
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UL94規格とは│プラスチックの燃えにくさを測る基準を解説


執筆:代表取締役社長

公開日:2024/12/26

プラスチック製品の安全性を考えるとき、「燃えにくさ」って重要ですよね。そんな難燃性を測るための基準として、UL94規格というものがあります。ちょっと堅苦しく聞こえるかもしれませんが、実はこれ、私たちの生活にも密接に関係しているんです。

今日はこのUL94規格について、ゆるっとご紹介します!

 

UL94規格について

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1. 「UL」ってどんな団体?

まず「UL」ってなんの略?というところから。ULは「Underwriters Laboratories Inc.」の略で、1894年にアメリカで設立された非営利団体です。当初は火災保険の業界と関係が深く、火災や事故を防ぐための安全試験や製品検定を行ってきました。
今ではアメリカでもっとも権威のある安全試験機関として知られ、UL規格はANSI(アメリカ国家規格)としても登録されるほど重視されています。

2. では「UL94規格」とは?

そんな火災事故防止の数あるUL規格の中で、プラスチック材料の燃焼性をテストするのがUL94規格です。正式名称は、ちょっと長いですが「Tests for Flammability of Plastic Materials for Parts in Devices and Appliances」といいます。簡単に言うと、プラスチックの「どれくらい燃えにくいか」を調べる試験です。この試験では、規定されたサイズの試験片にガスバーナーで炎を当てて、燃焼の様子を観察します。その結果に基づいて、プラスチックの難燃性がランク分けされます。

3. 難燃性ランクの種類と意味

UL94規格では、プラスチックの燃えにくさを以下のようなランクで表します。難燃性が高い順に並べるとこんな感じです。

  1. 5VA:燃えにくさ最強レベル。試験片に穴が開かない。
  2. 5VB:燃えにくい性能だが、試験片に穴が開く可能性あり。
  3. V-0:炎を当てた後、10秒以内に燃え尽きるが、滴り落ちた素材が引火しない。
  4. V-1:V-0より燃焼時間が長め(最大30秒)。
  5. V-2:燃焼時間はV-1と同じだが、滴り落ちた素材が引火する可能性あり。
  6. HB:水平に置いた試験片がゆっくり燃える。難燃性は低め。

一見ややこしいですが、5Vは極めて厳しい基準であるため、通常用途ではこのレベルが求められることはありません。一般的にはV-0からHBまでがよくつかわれます。ポイントは「“V-”後の数字が小さいほど、燃えにくい」ということです。

4. UL94規格が求められる理由

この規格、実は私たちの日常生活を支えているんです。たとえば、家電やパソコン、スマホなど、電気製品の内部に使われているプラスチックが燃えやすいと、ちょっとした事故が大惨事に繋がる可能性がありますよね。だからこそ、メーカーはUL94の基準を満たすように製品設計を行っているんです。また最近では自動車や建築材料にもこの規格が活用されています。火災のリスクを最小限に抑えることで、私たちの暮らしをより安全にしてくれています。

身の回りの家電

5. おわりに

難燃性なんて普段あまり意識しないかもしれませんが、UL94規格は私たちの身の回りで大活躍しています。この基準があるおかげで、電子機器や家電製品が安心して使えると思うと、ちょっとありがたみを感じませんか?これから家電やプラスチック製品を選ぶとき、ふと「これ、UL94規格とかクリアしてるのかな?」なんて思い出してもらえると嬉しいです!

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UL94規格について

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SETTSUもUL94規格にプラスチック製品を取り扱っています。カタログの構成内容→材質のところに、プラスチックの材質と合わせて、UL94のどの基準に適合しているか記載されていますので参考にしてください。(※下図はカタログ抜粋です)

 

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